【ぼくは愛を証明しようと思う。】非モテコミットだけはやめようと思った話
てるです!
最近、この「ぼくは愛を証明しようと思う。」を読みました。
「恋愛工学ってどんなんだろう?」と軽く読み始めた本でしたが、
正直言って、この本を読んで僕の恋愛観は180度変わりました。
感想、思ったことなどをつらつらと書き綴っていきたいと思います。
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概要
2015年に出版された、「恋愛工学」をテーマにした小説です。
著者は藤沢数希さん。
真面目で非モテな27歳サラリーマン「渡辺」が主人公。
大好きな彼女「麻衣子」のために、高級レストランを予約したり30万円のバッグをプレゼントしたりと尽くしまくるが、あるとき麻衣子の浮気が発覚。
麻衣子を失いたくないが故に浮気を許し、無かったことにするが、麻衣子からLINEをブロックされ静かに別れを告げられてしまう。
傷心のさなか、取引相手の「永沢」が超絶モテ男であることを知った渡辺は永沢に師事。
永沢から「恋愛工学」をレクチャーされた渡辺はこれまでの恋愛観が180度覆り、モテ男としての道を歩み始める・・・
といったあらすじ。
非モテの男が恋愛工学を得てモテていく様を物語調で描いた作品であるため、恋愛工学の入門としてうってつけだそう。
この本を読んだ理由
「恋愛工学」という名前は聞いたことがありましたが、
正直うさんくさいナンパ講師やら詐欺まがいの教材を売りつけるような人間が提唱してる精神論だと思ってました。
しかしあるとき、
恋愛工学とは生物学や心理学、金融工学のフレームワークを使って、恋愛の理論を科学の域にまで高めたもの
という一文をネットで見かけました。
筋トレなら、一般人がマッチョになるためのメソッドには、
人体に関する論文や熟練トレーナーの経験に基づいた「正解」があります。
前回の記事で伝えたように、人の心を動かすコトバにも、
心理学や脳の構造に基づいた、「正解」があります。
それならば、恋愛にもある程度の「正解」があっておかしい道理はない、
学んでみたいと思い、まずは触りとしてこの本を選びました。
非モテコミット
「非モテコミットというのは、お前みたいな欲求不満の男が、ちょっとやさしくしてくれた女を簡単に好きになり、もうこの女しかいないと思いつめて、その女のことばかり考え、その女に好かれようと必死にアプローチすることだ。」
早速本題ですが、僕がこの本で恋愛工学を触ってみて、
1番なるほどと思わされたのがこの部分。
主人公の渡辺が麻衣子に対してやっていたことはまさしくこれ。
そんでもって僕自身、これまで普通に恋愛はしてきましたが、
本気で好きになった、付き合いたいと思った女性にはほぼ必ずフラれていました。
理由は簡単、完全にこの非モテコミットをしてしまっていたからです。
一途に、誠実に尽くそうとする男を女が好きにならないのは何故でしょうか?
理由は、女性の生物としての本能にあるそうです。
「ところが、女の方は話がそう単純じゃない。
~中略~
生涯に生んで育てられる子供の数が限られているし、育てるのが大変だから、生き残れる確率が低い子供や、生き残って成人しても繁殖に失敗するような非モテの子供は生みたくないんだ。」
要するに、
どんなにいい男でも、誰からもモテず自分だけにコミットしてくるような男とはセックスしたくない
ということですね。
実際に、イケメン(ヒレの大きさなどから)だけど誰とも交尾してないグッピーよりも、ブサメンだけどたくさん交尾をしているグッピーの方が、メスから選ばれる確率は高い、という実験結果があるそうです。
全てを要約すれば、
モテる奴はそれだけでモテる(モテスパイラル)。
モテない奴はずっとモテない(非モテスパイラル)
ということに帰結するそうです。
そして、モテるためにどう振る舞えばいいかという「正解」は以下になります。
「こうした研究は、女の前で俺たち男がどう振る舞えばいいか、というのをじつに明確に教えてくれているんだ。つまり、俺達は女の前では、自分は女にモテモテで、セックスなんかいくらでもやりたいだけやれている、という顔をしてなきゃいけないってことなんだよ。」
僕自身経験則として、アプローチしてる相手とは別の相手から好かれたり、
本気で好きになった相手からはフラれ、彼女がいるときに限ってなぜかモテる、
といったことがありましたが、
それはこの生物学に基づいた非モテコミット理論による当たり前の現象だったようです。
これまで、「他に女なんていない、君だけを愛している」といったスタンスが正しいと信じていた僕にとって、恋愛観が180度変わる理論でした。
フレンドシップ戦略
「まずはセックスしたいなんてことはおくびも出さずに、親切にしたりして友達になろうとする。それで友達としての親密度をどんどん深めていって、最後に告白したりして彼女になってもらい、セックスしようとする戦略のことだ。 」
非モテコミットと同じくらい、やってはいけない戦略。
女性は繁殖相手を見極める能力に優れているため、
男と出会うとすぐ恋人フォルダか、友達フォルダに脳内で仕分けてしまうらしい。
そして友達フォルダに入れられるとそこから恋人フォルダに移行することは極めて困難であるため、友達から仲良くなって恋人になろうとするこの戦略は悪手だそうです。
正直、僕はこのフレンドシップ戦略もやってしまっていました。
大切に、何度もデートを重ねて徐々に仲良くなって付き合おうとすると毎回失敗するのはこのためでした。
いきなり手を出してしまったような状況のほうが意外とうまくいくんですよね。
調べてみたところ、出会ってから3ヶ月以内には思いを伝えないと、友達フォルダに振り分けられてしまうとのこと。
こちらも、僕のこれまでの恋愛観を大きく変える理論でした。
モテ=ヒットレシオ×試行回数
「いいか。男の恋愛なんて、この一本の方程式で表されるとおりなんだ 」
ヒットレシオとは、アタックした相手とセックスが出来る確率、
試行回数はその名の通りアタックした人数のこと。
非モテコミットの状況を例に取れば、
1人にコミットしてる時点で非モテ感が漂ってヒットレシオが下がっているのに、
さらに試行回数がその1人きりでは、当然成功確率(モテ)は極めて低い値になりますよね。
主人公の渡辺はクラブやストリートでナンパをして試行回数を稼いでいますが、
ナンパをするかどうかは別として現実的な手法としては、
服装、見た目などを整えてある程度ヒットレシオを上げ、それから複数の相手に同時にアプローチすることでコミット感をなくしながら試行回数を稼ぐ
といったことが最善手になるんじゃないかと思います。
恋愛工学の行き着く先
以下、ネタバレありです。
主人公の渡辺は永沢に授けられた恋愛工学を駆使してクラブやストリートでナンパを繰り返し、数え切れないほどの女をゲット。
最終的に、手を出してそっけない振り方をした取引先の女性が逆上、渡辺をセクハラで訴え、渡辺は仕事を失います。
職を失い、非モテオーラが出ている渡辺は一気にモテなくなり、新たな女性を手に入れることもできません。
また、あんなに沢山の女性と関係を持ったのに、1人の女にコミットしない恋愛工学の特性から、こんな風に本当に困った状況のとき助けてくれるような相手が1人もいないことに気づきます。
「恋愛工学って何だったんだろう」「本当の愛とは…?」と自問自答しながら、バスで出会った女性に最後のナンパを仕掛け、その女性と結ばれます。
「この子だけは、昔かつて非モテだった頃のように、ずっと愛することができるお思うんです」と、師である永沢に恋愛工学との決別を告げた渡辺。
しかし最後、彼女とメールでディナーの予定をやりとりしながら仕事をするカフェで隣りに座ってきた、見ず知らずの女性に対し「すいません」とオープナー(ナンパの最初の声かけ)を仕掛けて終わります。
最後まで読んで感じたのは、「じゃあ恋愛工学って何のためにあるんだろう」ということ。
しかも最後の最後で渡辺が恋愛工学を捨てきれてないのも、読後感がめちゃくちゃ悪かったです(笑)
しかしながら、何も無作為に毎日ナンパしまくって、色んな女性とセックスしまくることだけに使えるのが恋愛工学ではないと思いました。
上で挙げた非モテコミット、フレンドシップ戦略、モテの方程式は僕自身がこれまで感じていた、なんとなくこんな人がモテるよなあとか、こんな時うまくいくよなあといった、漠然とした感覚を生物学、心理学などのエビデンスからしっかり体系立てられた正しい理論だと思います。
複数人にアプローチするのも、彼女ができたらやめればいい話ですし、
自分はモテる、自信があるといった振る舞いも含め、渡辺のように沢山の女性と関係を持つのではなく、1人の彼女を作るのにも十分使える理論だと思っています。
とはいえ、飲み屋などで女性に声くらいかけられないと男として負けた気がしますし、コミュニケーション力強化のためにも、来年都心に引っ越したらナンパはめちゃくちゃやってみたいですね。
ストーリーとしてはシンプルですが、口語体で物語調に、実例っぽく理論が説明されているので、恋愛工学の雰囲気をとても楽しみながら知ることができました。
この本では本当に触りの部分しか伝えられていないそうなので、今後さらに、恋愛工学に関しては勉強していきたいですね。
それでは、本日も見て頂きありがとうございました。
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